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入国そうそう2度も金を取られる コロンビアとベネズエラの国境のコロンビア側の街ククタから、次の町パンプローナまでバスで行き、そこから自転車で走るつもりでいた。ククタのバスターミナルでパンプローナ行きのバスのチケットを買おうとしたときのこと、「コロンビアでは外国人は、テロリスト対策の為に、バスに乗るときは持ち金を全部出して、ビニール袋に入れて靴の底に隠さなければならない。」と言われた。持っていた金を出して、相手がそれをチェックして、ビニール袋に入れて返す。そして私はそれを靴の底に入れた。
バスはパンプローナに向けて山を登っていく。途中、機関銃を持った兵士に止められて、乗客全員バスから降ろされ荷物をチェックされる。そして、アメリカ映画に出てくる犯罪者のようにバスに向かって立ち、両手をバスのボディーについた状態で後ろからボディーチェックされる。コロンビアではこういう検問がよくあるという。
パンプローナに着いてホテルに入り、靴の底に隠していた金を見てみると、数枚抜かれている。「しまった」と思ったがどうしようもない。額はたいしたことないが、初歩的な手口に引っかかってしまった。
パンプローナはアンデス山脈の山間部の町で民族衣装っぽい人々がいたり、古い街並みなど、私たちが想像するいわゆる南米のイメージを最初に感じた町だった。明日から再び自転車で走るつもりなので、一応治安の状況を聞くために、コロンビアの首都ボゴタの日本大使館に電話をかける。すると「コロンビアを自転車で走るなんてとんでもない。できるだけ早く国外へ出国するように」そして「次の街ブカラマンガまでバスで行って、そこに池田さんという日本人が住んでいるから連絡を取るように」と言われる。コロンビアは麻薬の大産地で、麻薬組織が暗躍して危険だとは聞いていたが、そこまで言われるとは思っていなかった。
次の日、バスには自転車を乗せてくれなかったので、乗合タクシーでブカラマンガに向かう。途中、標高4000mくらいの高原を走り、急坂を下って標高1000mのブカラマンガの街に着く。自転車をタクシーの屋根から下ろし、自転車の後ろに荷物を積む途中、バランスを崩して自転車を倒しそうになった。たまたまそこにいたおやじが支えてくれた。そのおやじは、「支えてやったから金をくれ」などと言って迫ってくる。しかたないのでチップを少し渡そうと財布を出したら、いきなり財布の中の札をつかんで持っていこうとする。「ノー、ノー」と言って、慌てて取り返して札の取り合いになる。10000ペソ(約千円)を、親父に渡して、「それをやるからあっち行け」というと、ブツブツ言いながらどこかへ行った。コロンビアに入ってまだ3日目なのに2度も金を取られてしまった。
池田さんに電話をかけると、私のいる所の近くに「レストラン・トーキョー」とい
うのがあり、そこにも日本人の店員がいるので、行って待っているようにいわれる。そこには松下さんという日本人が働いていて、松下さんの家に世話になることになる。松下さんに「コロンビアを自転車で走るのは危険だからやめた方がいい。ここブカラマンガは安全だからゆっくりしていけばいい」と言われる。
ブカラマンガの隣の町、ヒロンは植民地時代の街並みが保存されている美しい街だ。ヒロンやブカラマンガの街を見て回り、4日後、自転車をたたんで飛行機で首都のボゴタへ向かう。
ボゴタには、ここに住んでいる日本人、佐々木さんが経営する「ペンション佐々木」という日本人向けの宿がある。「コロンビアなんかにそんなに日本人が来るのか」と思っていたが、ボゴタで働いている人を含め、5人ほどが泊まっていた。
ボゴタの街は中心部は高層ビルが立ち並ぶ近代的な街だ。南の方に行くとだんだんと「危ないので近づくな」と言われている古いみすぼらしい町になってくる。逆に北の方は「ノルテ」と呼ばれる金持ちが住むきれいな街で、大きなショッピングセンターもある。ボゴタの街は見た目は安全そうで人々も親切だったが、実際は犯罪やテロ事件がかなり頻繁に起こっているという。そして標高2600mにあるため頻繁に天気が変わり、晴れていたと思ったらあっと言う間に雨が降ってきたりする。しかし周りにはそんな高いところにあるとは思えないような平原が広がっている。
街の中心に黄金博物館というのがあり、コロンビア全土で発掘された黄金の装飾品が展示されている。その細工の細かさや量はすばらしいものだった。これでもスペイン人に持ち去られたあとに残った、ほんの一部のものらしい。コロンビアが黄金郷と言われるゆえんだ。
ボゴタからバスで、塩の教会で有名なシパキラに行ってみる。地中の岩塩採掘場跡を教会にしたもので、天井まで何十mもありそうなホールもある、巨大な教会だった。
さんざん危ないと脅され、コロンビアをこれ以上回るのはあきらめて、飛行機でエクアドルのキトヘ向かう。麻薬対策のためコロンビア出国時のチェックは厳しかった。荷物の中身のチェックやボディーチェックは当然のこと、リュックサックのヒモや、背中に当たる部分に入っているスポンジにまでキリみたいなのをさして、何か隠していないかチェックされた。
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